青い空の診察室から
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〜トレポンテこどもクリニックはこう考えています〜
今、各地で新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)の感染が確認されています。トレポンテこどもクリニックでは、このクリニックから感染者を出さないために、ホームページでお伝えしている対策を始めました。ここでは、その理由をご説明します。
ヒトはこれまで、新しい感染症との戦いをくり返してきました。はしかやインフルエンザなども最初は新たな感染症として恐れられました。ウイルスなどの病原体が初めてヒトを襲う時、大流行となって多くの命が失われます。その中で、免疫(体内で病気を直す働き)を得られた者だけが生き残り、子孫を残すのです。ですから、今を 生きている私たちは、過去に流行したことのある感染症に対してある程度の抵抗力があります。
現代でも新しい感染症が次々に発生していますが、医学の発達によってヒトが病原体と戦う力も強くなっています。例えば、エボラやSARSなどは、限られた地域の流行に押さえ込むことに成功しています。また、2009年に新型インフルエンザが大流行した時は、1年経たないうちにみなが予防接種を受けられるなど、すばやく対応できました。特に日本は、死亡者が少なかったので世界から注目されました。
しかし、新型コロナには少し手こずるかもしれません。
エボラやSARSなど死亡する人の多い感染症は、感染したほぼ全ての人に重い症状が出ます。また、症状の重い人しか他の人に移さないと言われています。つまり、感染した人が全員病院を受診するため、誰から移って誰に移したかを調査したり、他の人に移さないよう気をつけたりすることが可能です。しかし、新型コロナは感染しても症状があまり出ない人がいるので、知らないうちに他の人に移してしまう可能性があります。
また、新型コロナがニュースで流れ始めた頃は、危険性はインフルエンザと同じくらいではないかと言われていました。しかし、最近出てきた情報を見ると、そうとは言えないかもしれません。インフルエンザにかかったときに肺炎になることもありますが、その多くはインフルエンザウイルス自体によるものではなく、インフルエンザで弱った体に細菌が悪さをする二次感染です。これは主に寝たきりでいるような衰弱した人の命をおびやかします。それに対して新型コロナでは、クルーズ船で旅行をするくらい元気だった人が1−2週間のわずかな間に人工呼吸器をつけるほどの肺炎になっています。ウイルスが直接肺に強いダメージを与えているのだと言われていますが、このウイルスに対する薬はまだありません。
新型コロナは今ある予防法や治療法がすぐに応用できないウイルスなので、医学がこのウイルスに 勝つまでに少し時間がかかってしまうかもしれないのです。
ですから、ワクチンや薬が普及する前に大流行が起きないよう、今、できるだけのことをしなければならないとトレポンテこどもクリニックは考えています。そのため、院内で感染が起こらないように、一度に来院する患者さんの数を制限させて頂いたり、診察中に換気やふき取りそうじを行ったりしています。ご迷惑をおかけしますが、上記の事情をご理解の上、ご協力いただければ幸いです。
2020年3月3日
トレポンテこどもクリニック
医師 小児科専門医 村社 歩美
・事態の緊急性を鑑み、現段階で概ね明らかと考えられる内容を示しました。今後、状況変化に応じて、見解が変わる可能性もありますことをご了承下さい。
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