青い空の診察室から

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ワクチン、受けた方が良いですか?

ワクチン、受けた方が良いですか?

小児科医の想い

ワクチンをご自身が受けようか、
または、大切なお子さんに受けさせようか迷う時、

「受ける」という決断と「受けない」という決断の重さは同じだと思います。

YES 受ける

そのワクチンが予防する感染症で命を落としたり、後遺症に苦しんだりする可能性を極めて低くすることはできる。

しかし、ワクチンによる副反応で苦しむわずかな可能性を生んでしまう。

NO 受けない

ワクチン接種による副反応の心配はない。

しかし、感染症で命を落としたり、後遺症に苦しんだりする脅威にさらされたままである。

「受けて何か起きてしまったらどうしよう」
「受けないでいて重い病気にかかってしまったらどうしよう」

どちらも大きな不安であることに違いはありません。


診察室では、こうお答えしています。

「どんな感染症でも必ず、軽く済む人と、重症化する人がいます。
誰が重症化するかはわからないです。

もしも重症化してしまった時、あの時ワクチンを打っておけばよかった、と思われるのはとても辛いのではないでしょうか?

そのような事態となる可能性は、
今、このワクチンを打って何かが起きる可能性よりもずっと高いです。」

ほとんどの方が受ける決断をして下さいます。
ワクチンを受けて欲しい。

それは、小児科医として純粋な願いです。

私が若く研修医だった頃、
定期予防接種の種類は少なく、その接種率も今ほど高くありませんでした。
当然、水ぼうそうやおたふくかぜ、インフルエンザなど任意接種の接種率はさらに低い状況でした(水ぼうそうは現在定期接種)。

当直をするとかなりの頻度で、
高熱を出し、けいれんを起こして運ばれてくる子どもに遭遇したものでした。

そのうちの何人かは、病院に来てからも症状が治まらず、脳症や髄膜炎の診断で入院しました。

当時の小児科病棟は、
そのような重症患者さんが一度に複数入院しているのが当たり前でした。


多くのお子さんは、翌日に目が覚めて順調に回復しました。

一方で、
けいれんを繰り返し、次々に点滴ルートや嘔吐・誤嚥予防のための胃チューブ、呼吸不全に備えた気管内チューブなどが体に装着されていくお子さんたちもいました。

何週間も生死をさまよい、
あるお子さんは回復し、
あるお子さんは目を開けたものの体が不自由の状態で退院し、
あるお子さんは天国に旅立って行きました。


研修医は、症例検討会議で入院している患者さんの報告をします。
そして、上司から質問を受けます。

「原因は?」
「〇〇だと考えられます」
「ワクチンは?」
「打っていないそうです…」

繰り返されるやり取り。

小児科医として大切な仕事の一つが
1人でも多くのお子さんにワクチンを打つことだと考えるようになりました。

私が重症患者の急性期治療を行う病院ではなく、
地域の小児科医院で仕事をしようと思う理由の一つでもあります。

日本では最近10年間にようやく定期予防接種の種類が増え、
髄膜炎などの重症感染症にかかるお子さんの数は激減しました。

苦しむお子さんやご家族が減ったことを、
小児科医として心から嬉しいと思います。

急性の重症患者さんが減ると、
医療資源を慢性的な症状に対するケアの向上に使うことができます。

現に今、
小児医療は、慢性疾患や障がいを持つお子さんたちの治療・環境改善や心の問題への対応を重視する方向に向かっています。

ワクチンの普及が直接的・間接的に社会に与える影響は大きい
と思うのです。

けれども、様々な理由でワクチンを接種できない人がいます。

そのような人がいても、
社会の中で多くの人がワクチンを接種していれば
そのワクチンが予防する感染症は流行せず、
結果的にワクチンを接種していない人も救います。

集団免疫です。

一部のワクチン(任意接種)については経済的理由で接種できない人もいます。
ですから、早く定期接種となり、
より多くの人が免疫を獲得できるようになれば良いなと思います。


生物としてヒトの繁殖力は強くなく、
集団の力により生まれた命を大切に守ることで、
生存競争を勝ち抜いてきました。

病原体の脅威にも同じように挑むしかないのではないか、
そう考えています。

私たちがワクチンを打つ、
それは、
社会が前へ進んでいくための小さいけれど大切な一歩ではないでしょうか。

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